これも参考程度にお読みください
先日「就労継続支援B型事業所を作ろう」で記載したように、気がかりさんのわが子のために事業所を作ろうと思ってもなかなか大変なことをご説明しました。
もしできたとしても、安定して運営していくためには、収益の向上を図らなくてはいけません。特に最初の1年目は、工賃による訓練等給付費の区分が1万円未満と一番下の区分で始めなくてはいけません。
私も就Bの請求事務に従事したことがありますので、若干の知識はあります。これだけでは、運営は困難と思います。
食事提供体制加算への道でも記載しましたが、処遇改善等加算以外で算定しやすいものに送迎加算があります。送迎があれば利用者も集まりやすいと思います。
送迎加算とは
送迎加算とは、「利用者に対して、その居宅等と指定事業所等との間の送迎を行った場合に、片道につき算定」されるもので、簡単に言えば、事業から家まで迎えに行けば21単位(210円くらい)もらえますということです。まあ、210円ではガソリン代にもならないかもしれませんが、利用者にとっては送り迎えしてくれるなら、ここにしようかな、との動機づけになるかもしれません。
該当者は利用者であればだれでも可能
210円と書いてありますが、これは条件を満たした場合のみです。10人以上で週3回以上送迎がないといけません。でないと100円ぐらい(10単位)になってしまいます。受給者証に記載する必要はないのですが、事前に都道府県(指定権者)に「どのコース(単位)でいくよ」と届けなくてはいけません。これは毎年4月15日までに提出する「体制届」に「今年の体制や報酬はこれでいきます」と届ける必要があるからです。100円のコースでも10人以上か週3回以上の条件を満たさないといけません。でも片道1回と書いてあるので、大体の都道府県は1.5日送迎してれば1回100円はもらえそうです。
でも大雪の地方なんかは燃料代やその他で100円では足りないかもしれませんが、100円に充当できない燃料費があれば別にもらっていいことになっています。
じゃあ、ポルシェ買って車代も出してもらえるの?と聞かれても駄目だと思います。車両代は事業所で払わないといけません。ですが、バスを用意するものではなく、9人乗りのワンボックスで大丈夫です。普通免許じゃ9人までですから、2台でいくことになったりですが、個人の私用車じゃ運転日報がないので、後々「本当に送迎したの?」と疑われるかもしれません。事業所の車で誰が乗ったか記載した運転日報があれば「返してください」にはならないと思います。
送迎の場所は決めておく
送迎って言ってもタクシーじゃありません。前もって書面でどことどこを送迎とか決めておけば、家じゃなくても大丈夫です。だって市外の人もいれば、駅までしか迎えに行けません。
そもそも、事業所が送迎してくれるといっても、立地的に駅前に勝てるものではありません。就Bの場合はグループホームから通ったりするので、必ずしも駅近くにこだわる必要はないですが、就労移行支援事業所などは駅から遠いと大きなハンデになると思います。
運転士はだーれ?
そうはいっても2種免許は取るのが大変だし、人材も大変と思いますが、タクシーではないので、普通免許で9人までなら可能です。
都道府県によっては判断が分かれるのが、職業指導員が運転手をやった場合、その分時間を引かなくてはいけないか、ということです。これは、人員が常勤換算で出されるので、その分欠けてしまうとか、常勤1名の人員が確保できない危険性もありますので、確認が必要です(多分大丈夫)。
大変だが喜ばれる
事業所に加算分のメリットはなく、場合によっては持ち出しかもしれませんが、利用者にとってのメリットは大きく、利用者増の助けになるかもしれません。