加算金は予想外に大きい
障害福祉事業所が都道府県などの監査の結果取り消しになる場合、「要返還額」の記載があります。その中に「加算金40%を含む」としていますが、この40%とは何でしょうか。過誤申し立てとの違いはどのようなものでしょうか。考えを記載してみます。
過誤申し立てによる返還とは
介護給付費や訓練等給付費などの自立支援給付費は、事業所が国保連に請求をし、受給者証を発行の市町村の審査を経て給付されます。本来給付は利用者本人に給付するものですが、事業所が本人に代わって請求することができます。この場合、事業所は本人に代理で受領するわけですから、受領後速やかに本人に「代理受領通知書」を渡さなくてはなりません。
利用者は「代理受領通知書」を受け取ることで、請求がきちんとされていることを確認できるわけです。これは事業所が行わなくてはいけない義務です。
事業所が自主的に確認して気づいたり、利用者から指摘を受けて気づいた場合、請求額を是正する必要があります。是正は事業所が国保連に過誤の申し立てを行うのですが、請求とは違い、事業所ごとに行うのではなく、市町村が取りまとめて過誤の送付をします。したがって市町村ごとに様式も違えば締め切りも違います。何年もさかのぼる場合、過誤は不当利得の返還の考えで見ると地方自治法第236条の規程により5年で時効になりますので、どこまで返せばよいか自治体に確認する必要があります。
市町村は事業所から受け取った過誤申し立てを国保連に送付し、過誤申し立てと同じ月に再度国保連に請求すれば差し引きされ、返金額を差し引いた給付が国保連からされます。
不正請求による要返還額とは
都道府県などの指定権者などが監査を行い、結果として指定取り消しとなった場合、自立支援給付費の請求額に誤りや不正に請求した金額があれば、返還を求めます。
単に請求額が誤っており、不正に請求した根拠が見当たらない場合には、過誤申し立てとして、差額を返還する形になります。
利用者が利用していない日に請求していたり、サービス管理責任者が実際はいないのにいるように装って減算を適用しなかったりした場合には、不正と認定され、そのことが効力の一時停止や取り消しの措置につながります。この場合不正請求額と認定されると、40%の加算金が付きます。この40%、なぜその割合かは、障害者総合支援法第8条に書いてあります。これ、ずーと払わないと督促され、さらに督促期限の翌日から年利何パーセントとかの追徴金が付きます。
過誤と不正請求の違いは
簡単に言って監査で不正と認定されない範囲では、例えば運営指導で指摘され、「勘違いしていました、すぐに過誤します。」とか回答すれば、その分まではまー不正とはならないかなと・・・。ただしそう回答しながら直さず、さらに誤った請求を続けていると、
「あれっ、是正する意識はあるのかな」という疑問を都道府県などの担当者に抱かせます。そうなると一段上の状況に行く可能性も出てくるわけです。
まー、部外者のしかも初心者の考えですが、監査って行政側でも手続きが大変だし記者発表もしなくちゃならないし、相手方が審査請求や取り消し訴訟を起こすリスクもあるわけで、できればきちんと過誤申立で対応して、制度理解を深めてもらえばありがたいところなのかなとも思うのですが…。どうでしょう?