中学受験編1
「内申書に成績の掲載はありません」
そう担任の先生に言われました。長男君が12歳の1月、私の部屋に来て、「僕、中学校から普通になりたい。」そう私に言いました。それまで、教育委員会の個別支援教育相談センターで「個別支援級」には適しませんが「一般級からの通級指導教室」がよいのではといわれ、隣駅の支援学級に週1回通学しそれ以外は近くの一般級に通学することを考え、中学校の校長先生にもご挨拶に伺うアポイントを取っていました。
今から受験できる中高一貫校はあるのだろうか、内申書で受験前に「受験できません」と言われないでしょうか。そう、担任の個別支援級の先生に「中学受験を希望したいんです。」と電話したところ、6年生では大部分を交流級(個別支援級の児童は一般級にも所属があり、授業の進行に支障を与えなければそこでずっと授業を受けられました。)で過ごしていましたし、いろいろなテストも受けていたのですが、「個別支援級では通知書と同じように5段階の評価はつかない。」と言われました。これは、個別支援級(養護学級とも言われていました。)が必ずしも学習指導要領に従わなくても、個人の適正に合わせた授業内容で授業を進められる反面、5段階評価が行えないことが原因で、学校が悪いのではなく国の制度上そのようになっているのです。
昨年の夏、東海道線の沿線にあり、かつては発達に遅れがある気がかりさんも受け入れてくれたという話を聞いた、中高一貫校に学校見学に行きました。もちろん受験相談も受けて、受験したいことをお話ししたのですが、ベテランの女性の先生は長男君を見て、「当校での受け入れは難しいですね。教育委員会とご相談されたらいかがでしょうか。」と拒否られました。それからは、通級指導教室のことしか考えられませんでした。今思えば、その学校は集中力のある生徒以外には面白くも興味も持てない授業をしていた学校なんだと思います。
障害者総合支援法の趣旨はご存じでしょうか。従来も発達障害者支援法などの法律で障害をお持ちの方への支援方法がありましたが、この法律の大きな点は「従来の措置から自分の意志の尊重へ」という部分が大きいのです。
「普通級に通いたい」という長男君の意志をかなえるため、翌日から学校をいくつか回りました。テストの結果など気にしもしなかったので、どの程度の学校に入れるのだろう、どこを受験すればいいのだろうと不安がいっぱいでした。
横浜線沿線にある共学(かつては女子)中高一貫に願書を提出しましたが、内申書が必要でした。受験にあたって、「本人は個別支援級以外で交流級でも支障なく授業が受けれていたこと」、「ベネッセの通信教育を教材に私がよる教科書に準じた内容で家庭学習していたこと」などを文書で添え提出しました。この学校のほかに仕事が早く終わった際に立ち寄った中高一貫校では「内申書はいりません。後日小学校卒業の証明書を提出していただければ大丈夫です。」と言われました。そうです。いま私立の中高一貫校では半分以上が内申書不要なのでした。ただしレベル的にも普通だったので合格できるか、授業についていけるか不安でしたが、2月1日の午前、午後と申し込みました。(中学受験は複数回受験できるところが多く、2日目以降もチャンスはあるようだったのですが、個別支援級で何の情報もなくいきなり受験でした。)
中学受験編2に続きます。