施設外就労に同行する職員にかかわる不正請求について
令和7年3月25日に愛媛県が発表した就労継続支援A型事業所の指定取り消しについて、初学者として事由を考察してみます。
愛媛県、道後温泉が有名ですが、伊予三島あたりの穏やかな海を見ながら汽車に乗っていくのもよい思もいででした。広島の呉から船でいくつもの島々を抜けて行く、瀬戸内航路もお手軽でおすすめです。
今回はNPO法人でA型
今回はNPO法人でした。関西は合同会社が多いのかと思っていましたが、やはりNPO法人(特定非営利活動法人)も多いようです。で、就労継続支援A型です。A型はB型と違う点として①雇用契約を締結し、最低賃金以上を支払うこと②運営法人は専ら福祉活動を行い、定款に営利活動の記載がないこと、の2点が大きいと思います。
②の専らは例えば株式会社が、NPO法人などの別組織を作り、そこに株式会社から業務を委託し、A型のNPO法人が受託して生産活動をすることは問題ないはずです。ただし、同一法人内の生産活動については、他業者からも見積もりを徴集するなどして、価格が適切であるかどうか確認しながら行う必要があります。
今回の取り消しは施設外就労の生活支援員が勤務実態がない
今回は勤務実態がない生活支援員を配置職員数に加え施設外就労の要件を満たしたことが事由となっています。どっちでしょう、事業所に残った職員なのか、同行した職員なのか文面からは不明です。
でも、施設外に出て、利用者だけで相手先に伺って、作業可能でしょうか。可能ならばそもそも支援など必要ないのですから事業所に残った職員が実体がなかったと推測されます。
別の事例について個人的に考察—親会社が子会社に委託して施設外就労を依頼する場合の考察
今回の事例とは直接関係がありませんが、親会社が子会社を作り就労事業活動を行わせ、そこに施設外就労の作業を委託する、これは問題ないはずです。で、事業所の職員ではなく、親会社の職員が利用者を指導し、生産活動を行わせる、これは不適合と判断されやすいです。
委託元で施設外就労を行う場合、支援する職員はあくまでも事業所の職員である必要がありますので、親会社が子会社と施設外就労の委託契約を結ぶとともに、親会社の職員がその勤務時間を切り分け、事業所の職員として勤務の実績をきちんと残せば、その職員が親会社で利用者を支援しても認められる可能性が多いのではないでしょうか。
ここで重要なことは親会社の雇用契約と、子会社のA型事業所の支援員としての雇用契約がきちんと切り分けられている必要があります。ここで、事業所としての雇用契約と出勤記録等の整理がされていない場合、勤務実態が無いと判断されてしまいます。
ただし、このことは例えば運営指導で確認されるような内容ですので、行う前に事前に指定権者の確認したほうがいいと思います。
今回の処分について
今回の取り消し処分は賃金向上達成指導員配置加算を不正に受給したことも事由となっており、不正の金額も3000万弱と大きいので期間も長かったと推察されます。いろいろな事由が取り消しにつながったと思います。
以上初学者が考察しましたが、施設外就労を行う場合には事業所に残る職員の要件についても、よく確認することが必要と感じました。