大阪市の障害福祉事業所の取り消しに見る返還金について考えてみました

sakura 障害福祉サービス

満開の桜も盛りを越えました。

大阪市の就労継続支援事業所の指定取消が新聞記事等になっています。対象の事業所は就労継続支援A型事業所で、就労移行支援体制加算について、「過去3年間に就労移行支援体制加算の算定対象とした利用者を複数回重複して算定対象とすることは、「市町村長が適当と認める」例外的な場合でない限り加算の要件を満たしたこととはならない」にもかかわらず、請求し続けたことなどが原因になっているようです。返還金の額が150億円の記事もあれば、110億円の記事もあります。大阪市の文書では合計が110億円のほうが近い気もします。

4事業所で令和6年4月から令和8年1月間に272名ということは、1事業所で平均68名、定員が20名の事業所としては確かに多いです。『過去3年間に就労移行支援体制加算の算定対象とした利用者を複数回重複して算定対象とすることは、「市町村長が適当と認める」例外的な場合でない限り加算の要件を満たしたこととはならない。』とのお達しに反したと理由が付されています。

厚生労働省の通知の趣旨

このお達しは「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.7 (令和7年1月24日)」に記載されています。報酬改定は令和6年4月ですが、Q&Aは令和7年1月に出されています。いつも思うのですが、これ、Q&Aは報酬改定に伴って出てきた疑問点を後日Q&Aとして公表することで解釈通知を補足する趣旨ではないかと思いますが、出された時点で効力が発するのではなく、効力は当然報酬改定時の発効となるようですので、内容の大きな変更の場合には事業所はそれまでの請求内容を遡って確認しなくてはならないので、事業所で請求事務をやった経験としてはとても大変です。ただ、Q&Aを受け取ってから過誤の手続きを取って是正すれば通常監査まで行くことはないでしょう。監査まで行くのは①運営指導を行い②是正されない場合が通常です(虐待等の場合を除きます。)

加算の適用には体制届に記載が必要

そもそも就労移行支援体制加算は体制届に該当者の記載が必要です。この届は大阪市に受理されています。ただ受理されれば当然認められたものではなく、記載内容に誤りなどがあれば当然修正が必要で、それまでの請求は過誤(国保連に過去分を取り下げ、返金をする)の必要が出てきます。通常運営指導などの際に指摘されることが多いです。

過誤の手続き雑談

余談ですが、過誤ってお金で支払って返すよりも、過誤調整が入る場合が通常です。これは、毎月の請求支払い時に給付額から自動的に返金額を引いてくれるものです。この場合、過誤再請求と言って、過誤を申し立てた月に必ず再請求したほうがいいです。ただ引ききれないと納付書が来るので、事業所もお金を払う手間や支出事務があるのでやりたくないですし、国保連や市町村も期限までに納付ができなかった場合に手続きが煩雑になるので、多額の場合には事前に市町村の請求審査事務担当に分割したほうがいいか確認したほうがいいです。また、長い期間の過誤申し立てをして、再請求が不備で返戻(支払われずに事業所に戻されてしまう)された場合やうっかり再請求を忘れた場合など場合によっては一千万を超える返金が発生する可能性があります。再請求を忘れた場合などは毎月中旬ぐらいまでは「過誤取り下げ」が可能な市町村が多いので相談したほうがいいです。

訓練給付費は所在の市町村ではなく、支給決定の市町村が負担する

今回の不正認定額でも大阪市だけで110億円とありますので、ほかの市町村でも発生しているでしょうしその合計が150億円なのだと思います。指定取消は大阪市がやりますが、支給決定した市町村は通知を受け取ってから不正請求額、加算金40%を計算して請求します。

取消処分には不服申し立てができる

新聞記事では「取消」となっていて、事業所も4月末で閉鎖するとなっています。

そんなに知識がないのですが、一般論では行政不服審査法では処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内であれば不服申し立てができることとなっています。政令市や中核市は障害福祉事業所の指定権者ですので、処分庁になり、都道府県と同じなので都道府県に審査請求はできないということでしょうか。ただ、個々の支給決定については市町村の行った処分に対し、都道府県に審査請求はできます。なかなか難しいです。

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